親愛なるジーンへ
」のレビュー

親愛なるジーンへ

吾妻香夜

名作

2022年9月16日
このまま映画化できるのでは…?
ある人たちの、人生における大切な出会いと、共に過ごした時間が丁寧に描かれて、人の人生を追体験するような重みがありました。素敵な映画を一本観たような読後感です。

時代設定が少し前なので、本当の自分を誰にも見せることなく生きていこうとする苦しみ、現状で十分に恵まれているのに、これ以上を望もうなんてわがままだ、という思考からの解放というのもトレヴァー(攻)側のテーマとなっており、性的なシーン自体と、そこでのやり取りがとても大きな意味を持つんですよね。互いの言葉に救い救われるやり取りは涙が出ます😢この人たちが出会えて良かった…

上巻を読んで、過去の素敵なお話が進むなかで、現在に時間が戻ると共には居ない様子なので、悲しかったり切ない話だったらどうしようと思っていたのですが、

人生とはそう単純ではないよね、という過程を経つつも、エンディングも素敵で安心しました。何度も読み返すと思います。ぜひぜひ。
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