このレビューはネタバレを含みます▼
最初の少年がずっと微笑んで挫けずにあろうとする姿に胸を打たれた。物言わぬ獣の視線が純粋だ。
彼を映し取った存在はやはり無垢だ。どう生きるか選び命を失ったとしても、フシによりそこから物語は更に進む。
私は今、グーグーとの物語が佳境に入った所で頁を捲る手を止めている。更に進む前で。感情に引き摺られて。
〜第一章が終わるまで読んだ。思い返せば最初のエピソードに全て有った。少年が命綱のように狼に結び最期まで離さなかった綱が印象的だったが、あの綱がこんなに意味を持つとは。狼に食事を与え荷物は自分で背負い、忘れないよう知る限りの人の顔を描いた、最後の1人となった少年の望み。
フシは繋ぐもので、ノッカーは解くものだ。広がる宇宙の中で凝縮する星のように、相反しながら連鎖している。
最後までゆっくりと読んでいきたい。