このレビューはネタバレを含みます▼
βと、番を剥がされたΩのストーリー「きみはもう噛めない」のスピンオフ。Ωのオリヴァーの弟、αのオスカーが主役。オスカーはまだ第二の性がはっきりする前の13歳の時、オリヴァーのヒートに飲まれて兄を噛もうとしたトラウマがあります。それを引きずり、ロンドンの大学で同じαのルカと共に、番探しと称してΩを食い散らかす日々を過ごしてました。(モブとPあり)どちらもそれぞれの理由で、番のΩを探してます。でもオスカーはある時から、Ωに反応しなくなります。それだけでなく、ルカにだけ身体が反応するように。人付き合いが得意でない二人は、お互い大切な親友なんですが、身体の触れ合いを持ってから関係に変化が起きるのです。α×αの恋は、どこに着地するのか…。スピン元ではβ×Ωの恋が、性を肯定し力強く描かれていたので、オスカーとルカの形はちょっと意外でした。でも、オスカーの闇が消えていくラブストーリーは、正統派の「番」という甘さが良かったです。
「きみはもう噛めない」のその後のリアムとオリヴァーを見れました。リアムの男っぷりも上がってて、良き夫と愛しい妻子の幸せな家庭が嬉しい。こちら、単独でも問題なく読めますが、スピン元の方も一緒にオススメします。β×Ωの「番」を凌駕する強い愛情を読んでほしい。どちらも優しい世界なので、安心して読めるオメガバースです。