このレビューはネタバレを含みます▼
三巻全て650頁前後、番外編も500頁越えのかなりの長編です。頁数が多ければ多い程「やった!」と思う私には得しかありませんでしたが。
長い長い物語もようやく終わりに近付き少し寂しいと思っていたら、最後の最後で明らかになる王家の血の罪深さにもう怒りなのか悲しみなのかよく分からない気持ちになりました。
イオニアとレオリーノのどちらに感情移入するかによって受け止め方が変わりそうですが、元来、浮気や身体だけの関係が許せない質の私はほんの少しレオリーノに肩入れしていたせいで、イオニアとしてではなくレオリーノ自身を早い段階から意識していたグラヴィスに安心しながら読み進めることができました。
身分差や能力の差、愛や執着に矜持、それぞれの苦悩があり、その心情が丁寧に描かれていて読後もいろいろ考えさせられる作品です。
…と、レビューを書こうとしたら更なる番外編が出ると知り、今から楽しみでなりません。もうしばらくはこの世界観に浸っていようと思います。