狐と狸の押しかけ婚【電子限定おまけ付き】
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狐と狸の押しかけ婚【電子限定おまけ付き】

もづ九

いいないいな、人外っていいな

ネタバレ
2022年9月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 美味しいご飯に、もふもふ妖怪、あったかいモフモフと眠るんだろな。

いんやぁ~、可愛かったです。
もづ九先生の動物愛をひしひし感じましたね。

ビジュアル的に分かりやすくお伝えしますと
狸の金作は、まるでぽこぽん日○。狐の銀次郎はまるでカリ○様(ん?カ○ン様はネコ?)
江戸版あつ森に迷い込んだかと思いました。

2匹のもふもふ所作、表情が豊かで癒されます。
与一のカエル姿は、けろけろけろっ○の様でキュートです(関係者の方々、個人の独断的比喩です)
妖怪も人間の姿もどちらも好き。
この2匹+与一の三角関係、3Pです。

皆様、江戸です。江戸は褌、ふんどしです。
江戸の空気感って懐かしさと愛しさと切なさと心強さを感じて良いですね。
随所に先生の拘りが感じられますね、特にセリフには洋の言葉を和に変換しているので世界観も崩れません。
ビッ/チ→尻軽 キス→口吸い その他有りますので探すのも楽しいです。

ですがストーリーは意外とシビア。
昔々あるところに狐の銀次郎と狸の金作がおりました。
2匹は食べ物を盗む為、茶屋を営む与一を騙そうとしたが与一に一目惚れしてしまい押せ押せ合戦の始まり~。

この2匹直ぐに獣に変わるチョロなんですけど、与一も身体はチョロなんですよ。
だから2匹で身体ごと奪いあっちゃう(笑)
与一は過去の傷を少しずつ癒しながらも、やはり人間と妖怪の壁が…。
最愛の人が弱っていくのを、ただ見守るだけしか出来ない絶望はどれだけか。
与一の気持ちとシンクロして泣きそうです、現代でも他人事じゃない。
そして読者が感じる2匹の違和感。
その後の確信。心臓が動いているのは当たり前じゃない。
いつか与一は先に旅立ってしまうけれど、この2匹なら大丈夫。
与一同様、羨ましいとさえ感じました。良かった、本当に良かった。
2匹+犬の銅丸は友達兼、恋人兼、夫婦兼、ペット兼、子供兼、バイトですね。楽しそう。

皆が優しい世界で
心がポカポカ癒されました。

もづ九先生の作品は「堕トシ合い」と「鬼と男娼」の2作品を読みましたが…人外の世界で人間の存在が意外と心外で心配が限界 イェイッチェケラ!
つまり、モブレや、ほぼ無理矢理ガッツリ致される場面が多くて人外初心者の自分としてはハードでした。が、こちらは大当たり。
ほぼ最中は人×人なのでそこまで違和感は感じにくいと思います。
オススメです。
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