親愛なるジーンへ
」のレビュー

親愛なるジーンへ

吾妻香夜

ラスト深読み

ネタバレ
2022年9月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読み終わって最初の感想は「何だよそのそっけない態度は!」とそれまでの熱い想いが急停止してしまうようでしたが、もう一度読むと、あぁ、そうか、そうだよなと。あれだけ愛して世話になった人の住む街に戻って来たのに「じゃ!」でこれきりサヨナラな訳ないですよね。甥のジーンに会うつもりがいきなりトレヴァーに会ってしまって驚いて咄嗟の対応だったのだろうし。←手が震えてるし。手紙返信してたりお土産との言葉にトレヴァーがいることを予測してたとしても、久々に会うと照れ臭いしぎこちないものよ。カレッジに職を得たのもNYに帰る為だろうし、もちろん落ち着いたらトレヴァーに会いに行っただろう。そこがジーンの第二の故郷なんだろう。10数年連絡しなかったのは「断腸の思いで送り出してくれたのにまだ何者にもなれてないのに会いたいなんて言ったら心配させるし」と思ってたらいつの間にか何年も経ってたわ、くらいのことだと。恋人か友人かどちらかはっきり描かれてないけど、この街に戻ってきたということは恋人だろうな、と思ってます。疎遠になってたけど何年経っても会いたくて堪らなかったところに、甥っ子ジーンの手紙を読んでトレヴァーの気持ちが変わってないことを感じて、戻る決意したのでは。会わずに生涯過ごしたりしたらどうしようもなく後悔するでしょうしね。どんな形であれ家族として共に生きて行くのが2人の幸せでしょうし、これで完結で納得です。
そして「ええ話や〜」と感涙した後に、特装版があると知って悔し涙を流しました。その涙の方が多い。
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