5人の王シリーズ
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5人の王シリーズ

恵庭/絵歩

物語のその後を考えると…

ネタバレ
2022年9月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『ハッピーエンド』と本編で明言していないから「あれ?これはモヤモヤするヤツ(メリバ)かな??」と思ったけど、その後約束された事を手繰り寄せたら、きっとセージにとっては何より幸せなことだろう、と思えるようになりました。ジェント(青の王)がルリに言った「ハリームの女を下げる」は元々セージに向けて言ったことなので、セージのためにハリームを空にするのをルリが喜ぶであろうワードとして言ったに過ぎないし、ルリが王都へ行ったならジェントはさほどルリと一緒に過ごすことがないでしょう。失明に近いジェントが王宮を頻繁に離れるのは考えにくいし、王の子の生母となればルリは青の姫でなくとも『特別な女性』として認知されるでしょうから。そして生を全うした後、霊廟に納められることになる緑の王セージと青の王ジェント。その霊廟には最愛の妹である前緑の王ヒソクが眠っていて、そこにはけしてルリが納められることがないのですよ。セージの愛する二人がずっとそばにいる、永遠に一緒にいることが叶うんですよね。ラストで取り上げられなかったけどサルタイアー銅貨の言い伝え通りになったのも心地良いです。火の精霊の銅貨を持つセージと水の精霊の銅貨を持つジェント。言い伝え通り永遠に離れることのない二人だと思うとハッピーエンドだな、と納得できました。
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