後宮を飛び出したとある側室の話
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後宮を飛び出したとある側室の話

はなのみやこ/香坂あきほ

切なさMAXだけど終わり方が完璧…

ネタバレ
2022年10月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 金髪青眼美形王太子ラウル×前世の記憶を持つ聡明かつ慈悲深い聖母のような黒髪美人のCP。
3巻まで読んだ感想です。一言で言えば、とても面白い!エチ度は低めですが、その分ストーリーに重きを置いており、物語を楽しむという観点で大満足でした。1巻はリケルメに見初められ、どの妃よりも寵愛される側室となりますが、それとは裏腹に籠の鳥(寵愛され過ぎて軟禁状態)である自分に疑問を抱き、自由への渇望とリケルメが他の女性を愛する事、いずれ飽きられてしまうのではないかという不安、そして次々リケルメの子供を産む妃達…ついに耐えきれず抜け出してしまいます。時を経て、友好国である隣国で平和に暮らしている所へ、王太子ラウル(リケルメの甥)と出会い徐々に惹かれあい唯一の正妃となりハピエン。2巻ではラウルの従兄弟が登場し、2人の間を引っ掻き回しますw3巻は別大陸の異世界転生者と出会いますが、どうやら平和主義者ではなく一筋縄ではいかない感じです。3巻の雰囲気からすると、おそらく続きがあるのかなと想定しています。
この作品の推しポイントは1巻での各々の立場と切なさ!主人公の苦悩や葛藤が非常に丁寧に書かれていて、胸が押し潰されそうになりました。終わり方も、ものすごく綺麗!また、各国の文化や宗教、風土など細かい設定があるのも世界観により浸れて良いです。そして何より絶対王者リケルメ様の風格が凄まじく、ちょっとオラオラ系だけど優しくてスパダリ感が半端なさすぎて正直リケルメendが読みたいです…。2人の関係性が素敵過ぎて…特に1巻最後のリケルメの気遣いが最高です…。対してラウルは、優しく主人公を尊重してくれるけど、ちょっと不器用で余裕がなく青臭い感じ。可愛いんですけどね。3巻では少し成長見せてるので今後期待。
それと2.3巻ではちょくちょく主人公をめぐる叔父と甥の争いが笑えます。
個人的には、リケルメの次に豪商フェリックスが好きです。陰で主人公を支えてくれる良い兄貴!
ただ1点不満は、1巻の最後の挿絵が文章と若干相違してます。胸あたりまでの髪となってるのに、絵だと腰くらいまであるような。そこは忠実に表現してほしかった…。
ちなみに2.3巻は挿絵無しです。むしろ無くていいかも。
とりあえず、好き過ぎて長文になりましたが、ぜひ皆様に読んでいただきたい作品です!
小説って、余程面白いものでないと読み返さないのですが、これは読み返すと思います。
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