今日から先輩を忘れます【単行本版】
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今日から先輩を忘れます【単行本版】

山口恵

面白かったけれど

ネタバレ
2022年10月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 過去のことをいつまでもとか言うのはトラウマを知らないから。本当に傷ついたら頭も心も理解しても身体が拒否ってしまうことがあるから厄介。ヒロインにはあんな酷いことしておいて彼は自分本位な不毛な恋愛というかとっかえひっかえ女遊びをしてて経験豊富って言うのが、やっぱりちょっとなぁ…と言う点。全部堤さんのせい!って言われて当然なのに、堤のせいでヒロインは長年のトラウマに苦しんできたのにカウンセリングに一緒に行って欲しいって、それを拒んだのはひっかかりました。「お前のせいで、お前が女遊びで経験豊富になってる間、ずっとこの子は10年以上も出来ないことも謂れのないことでと苦しできた。カウセリングくらい一緒にいけよ」と思う。結婚相談所のスタッフでヒロインを手放せずに恋人にしたなら、結婚を当然見据えているはずで夫婦になったら一方が問題から逃げる訳にはいかない。それが絆だし夫婦。頭でも気持ちでも理解して好きの気持ちで挑んだのに身体に影響が出てる以上、簡単に過去のことと流せるようなことではない切実なことなのに、反省し謝罪したとしてもカウセリング拒絶した堤にはムカつきます。数多の女と遊び泣かしてきた不誠実さの片鱗が咄嗟の言動と行動に出てるので、即解決で本編が終わったのが消化不良。堤にはもっと苦労と懺悔と贖罪をしてほしかった。あとは、ちゃんと主役二人のプロポーズや結婚を読みたかったのに突然そこはすっ飛ばして結婚決まったと社長の叔母のセリフで終わって、急に叔母と若林の恋愛話に2話使って。それならちゃんと主役二人の話を最後まで描ききって、それから叔母と若林の2話をつけて欲しかった。主役二人の本編が急に終わって突然叔母若林編になって、本編に戻らずそのまま完結って。しかも主役二人が先に決まってた結婚より叔母若林の結婚を先に持ってきて完結とか…年齢的には理解出来るけど、読者としては置いてけぼり感が否めません。なので3巻完結にすれば消化不良もなかったと思います。構成が残念だったと感じました。
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