【単話売】向こうの人と
」のレビュー

【単話売】向こうの人と

上野ポテト

エスが目一杯甘噛みしとる…

ネタバレ
2022年10月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「向こうの人」を芸能人エスの視点で読み終えて、いそいそと続き見たさに番外編を読んだら、もうエス目線でしか話が入ってこない体質になっておりました…

そうなるとどうなるのか。

もはやまくたが可愛くしか見えないんですよ。そんなアホなって自分でも思うけど…
あの、エスの言葉にぐるぐる考えちゃって態度に出そうになって、そう見えないようにワタワタするとことかですらも、あー、なんか自分の一声でこんな風になってるんだって思うとそう見えてくるのな…。
SNSでまくたの内面を覗いて親近感を持っているエスからすると、生身のまくたに関わり近づいていくのって、好きな人の新たな一面を知る過程なんだ。だから、はたから見たら噛み合わなかったり、ずれているように見えるやりとりも全部楽しいんだ…。

エスも、まくたが狼狽えている姿を見て喜ぶとか、大概Sだな、って思うけど、ベッドの上でわちゃわちゃしてるのも、エスがまくたを大切にしようと思いつつ、また主導権握ろうとしちゃった、って思って寸止めになっちゃってまくたがずっこけて、みたいに見えてくる。

そういった目線で読むと、この番外編も別の世界で生きてきた2人が少しずつ距離を縮めていく異文化交流物語に見えて、なんだか微笑ましくてムズムズしてきて仕方がない(笑)。

あと、表紙の『向こうの人と』の字がみんな一緒の方向向いてるの、エスとまくたの気持ちが通じて、同じ世界にいる相手になったことを象徴しているみたいでいい(^ ^)!

本編では途中までホラーかと思う読み心地だった2人で、こんな甘酸っぱい気持ちになるなんて。個人差あると思うけど、その落差にやられた…本編とセットで読むのがオススメ。
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