このレビューはネタバレを含みます▼
先生の大ファンで『交渉人シリーズ』『マンガ家シリーズ』『nez【ネ】』など15タイトルほど読みましたけど、今作のような純粋なファンタジーは初めてでした。そして、いつもの笑いあり切なさありの作風とも違っていて、読んだ事はないのですが(想像ですみません)榎田ユウリ名義で書いていらっしゃるBLではない方の小説のような高尚な内容でした。今回は、タイトルと表紙とに一目惚れして「先生の作品なら絶対に面白い」と、全くレビューも見ずに購入しました。なので解釈が間違っているかもしれませんが…今現在と過去と、考えられる未来の世界情勢を投影して社会啓発を促し、警鐘を鳴らすような作品だと思いました。作品のあちらこちらに見られる事象・現象が、原発・戦争・宗教・人種差別・AI・医療崩壊による命の選択など、現代の様々な事柄について問題提起されているような気がしました。あとがきでは全くそのような内容に触れられていないので、私の勝手な思い込みかもしれませんが、とにかく内容も世界観もインパクト大で濃かったです。その分BL色は薄めの作品だと思います。