≠ ノットイコール
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≠ ノットイコール

池玲文

衝撃の父子もの

ネタバレ
2022年11月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ ずっと読んでみたかった作品です。1巻がお安くなっていたので、この機会に購読。
実の父と子の近親ものなので、苦手な方は要注意です。
私も、実の親子や兄弟ものはあまり得意ではないのですが、こちらは読んでいて物語に引き込まれて最後までしっかり読めました。2人の葛藤で胸が苦しかったです。

果の実子・凉×銅板画家の果。
離婚した父親・果に会いに来た凉。
何の弾みか、22年前にタイムスリップし、そこで中学生の果と出会い、恋に落ちるストーリー。
凉は果が自分の父親だとわかっていたけど、目の前の果が可愛くて気持ちが抑えられずに肌を合わせてしまいます。タイムスリップした凉も高校生、好きな気持ちが暴走しても仕方ないよね…涙。
現在の果が思い出として昇華したはずの凉が、自分の息子だったという衝撃は計り知れません。胸が痛くなります。
実の息子との恋愛なんていけないとか、凉の母親に申し訳が立たないとか、色々考えて考えて考えても、やっぱり好きで求めてしまうのが見ていて辛かったです。
ずっと凉も果が好きで、でも諦めようとして、それでも簡単には忘れられない。
現在の2人がまた灯籠流しを見にいくシーンは泣いてしまいましたね。特に凉のセリフの「きっと誰からも理解されないけど、でも、果の幸せと俺の幸せだけはイコールじゃないか」に泣かされました。
ずっとこうして葛藤してお互いに慰め合って、を繰り返していくのかなと思うと切なくなりました。
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