兄ちゃんの話
」のレビュー

兄ちゃんの話

池玲文

切なくも温かい兄弟の歴史

2022年11月12日
弟視点で綴る自慢のお兄ちゃんについてのお話。10代の多感な時期、文句も言わず笑顔で家族の家事全般、祖母の介護、好きだったサッカーを我慢して勉強も頑張り続けた自慢のお兄ちゃん。真面目で責任感の強いお兄ちゃんが背負ってきた重さはいかばかりかと涙が出ます。そんなお兄ちゃんを近くでずっと見てきた弟もまたとても良い子で、葛藤しつつもお兄ちゃんを一生懸命応援する姿に心が温かくなりました。他の方達も仰っている通り、77ページとは思えない程しっかりした読み応えです。池先生は一癖ある変化球を多彩に描かれますが、本作のようなストレートに響く作品も活き活きと描かれる素晴らしい作家さんだと感動しました。ヒューマンドラマをしっかり描いたBL作品が読みたい方へ特にオススメしたい作品です。
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