おおきくて窮屈なこの世界で。
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おおきくて窮屈なこの世界で。

あすかいくに

宗教色ありの素敵系

2022年11月23日
大戦の狭間の大正時代。
大阪の呉服問屋の両親が亡くなっていて、孤立気味の少年が主人公。
健気で真っ直ぐな少年は寂しさと居場所の無さにも笑顔。
そんな彼は教会で伊語を習っている。
ある時「練兵場とイタリア」がどうとかと聞きつけてそこに向かうと、少年の世界はおおきく拡がることになる。
それを描いた紀行漫画です。
教会とイタリアということで、もちろん宗教は切り離せません。
宗教というかローマカトリックですね。
その文化、また当時の世界情勢、異文化交流、そしてその難しさが表現されてます。
主人公が真っ直ぐなタイプなので、お話は素敵系であることが多い。
頻繁では無いですがコマがピカピカしてることもあります。
まぁ私は得意な方じゃ無いですが、知識系と捉えての面白さがありました。
表紙の通り登場人物も様々ですが、教会の人と学生が多いですね。
意外とクスリとするところもあります。
いじける神父とか。
そういう感じで宗教色はあれど、紀行文として読めるなら良いんじゃないでしょうか。
本題だけど、主人公は世界が拡がり、とても良い笑顔をして良かったなと思いました。
あ、宗教に関わってどうって事じゃないです(笑)。
環境が変わって、という話です。
青年漫画なので大人はもちろん読めますが、むしろ少年にも良いかなと思いました。
居場所が無い人は沢山いると思います。
私もこの地球に居場所はシーモアくらいにしかありませんが(笑)、そういう時に環境を変えたり思い切って遠くに行くのも一考です。
若い時は今いる世界が全てだったりしてキツいと思うものですが、環境変えてガラリと変わることもあります。
変えるためにお金含め努力必要ですが、居場所は探し続けたらと思います。
そういう人には少し世界が拡がる契機になる漫画かもしれません。
若い時に読んで色んなとこに行ってみたかったなとも思いました。
大人になるとむしろ不可能なんよね。
ゲリライベントで漫画買って色んなとこ行った気分になるしか無い!笑
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