泣けない竜は愛を捧げる【電子限定書き下ろしSS付き】【イラスト入り】
葵居ゆゆ/yoco
このレビューはネタバレを含みます▼
国の守り神ともいえる今は唯一となった竜の王ルートヴィヒ。その純真無垢さは最高レベルだと思います。
宝石の国の宝石を守っているルート。竜によって身内と故郷を殲滅された恨みと憎しみを持って竜の居城にいく義賊エリック。たったひとりの竜であるルートは竜族の歴史全てを一身に背負い償おうとするあまりにも気高いひたむきさに、その心の寂しさ優しさにもう、最初の方からずっと涙が止まりませんでした!
自分の体液が流れるときそれは様々な色の宝石になるわけだけど、泣けないルートはその代わりにと自ら何箇所も身体を傷つけて血液を赤い宝石に替えるシーンはもう辛くて辛くてひと呼吸おかないと読めませんでした。
賢王ベルナーがエリックをルートを迎えに行く役割をまさに適役と依頼して本当に良かった~。そうだよね~。真実心根が優しく真っ直ぐな人でないとルートは任せられない。
こんなに可愛くて優しくて賢くて我慢強くて純真な竜はいない! そう無垢だけどとても聡明なんです。そこが余計に凛とした美しさを感じずにはいられません。
もうもう最後の最後まで胸がクーッとキューッとキュンキュンと痛みました。
エリックが自分の本心に向き合ってからのその執着溺愛が寂しく一人で生きてきたルートにとっては良かったと思うし、その愛されてる様に今度はこちらが嬉し涙を流しちゃいました。
まさにタイトル通り!
ルートヴィヒがすべての人に愛を捧げまくり最後は『幸せにならりましたとさ。めでたしめでたし〜』と締めくくるにふさわしい童話のようなお話でした(*˘︶˘*).。*
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