0パーセントの花束【電子版限定特典付き】
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0パーセントの花束【電子版限定特典付き】

三上志乃

デビュー作とは思えないクオリティの高さ!

ネタバレ
2022年11月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ ピットスポルムがとても良かったので、三上先生のデビュー作であるこちらも購入しました。めちゃくちゃ良かったぁ!(≧∀≦)両片想いものです。主人公の巴は物心着いた頃から家族から出来損ないと言われ、早々と切り捨てられます。その巴の世話係として雇われたのが施設で育った南雲。2人はお互いの孤独を埋め合い、かけがえのない大切な存在になっていきますが、お別れの日が刻々と近づいて…。「家を捨ててでも一緒にいたい」「大切な人の将来の邪魔をしたくない」という思いが2人の関係を揺るがせていきます。以下ネタバレがありますのでご注意を。

序盤の南雲を見て、ん?これが攻?ちょっとモサいなぁと思った方も…読み進めていけばいくほど、カッコよくなっていきますよ!ラストの方なんて別人なぐらい!でもこの作品の良さは、キャラだけでなくて、そのキャラクターの言動の一つ一つが、それ以外の最高はないのではないかと思わせてくれることだと思います。一見素直になれない巴の、切ないほどの恋心が溢れ出す手紙や花言葉に込められた願い(花)、自分の大切な人が「余計」とされ、離れたくないのに離されてしまおうとする南雲のキス、そして再会後のエチ。
私はこのエチに釘付けになりました。私の中でこの2人は、温かく、甘々で幸せなエチをするだろうと思っていたんです。だから南雲の強引に奪おうとする感じに驚きました。これが逆に良かった!もう二度と会えないと思った愛しい人と再会し、爆発して求める心も、諦めてた願望も、静寂の中で心も体も深く交じり合い、ただただ一緒にいたいという「好き」が溢れていきます。2人の強く切ない想いだけでなく、息づかいまでも伝わってきて、すごく感動的で…。涙が出ました。これが甘々なエチなら、ここまで心奪われなかっただろうと思います。

相手に伝えるべき言葉は無駄なく伝えられ、心の内の想いの強さは読者に伝わるように丁寧に描写されており、本当によく練られた作品!電子特典ペーパーにはその後のラブラブっぷりがうかがえて昇天しました(//∇//)
幸せが怖かった主人公が、幸せの喜びを知る感動作品です。愛の大きさに胸がいっぱいで、まるで映画を観たような感覚になりました。
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