それでは先生、お願いします。
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それでは先生、お願いします。

日乃チハヤ

編集長、疑惑ではないです

ネタバレ
2022年11月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 本当です(笑)女性でないからと侮ってはいけません!愛の大きさに性別は関係ありませんから!アンジェンテのボイコミから興味をもって探したら割引になっていたので即購入。
書けば売れる作家、赤瀬川。純文学とはペンネームを変えて官能小説を書いている。編集担当との関係を糧にして。ちょっとした問題(まぁ、人によってはちょっと問題ではないが)を起こし、出版社から男性編集担当を寄越された。赤瀬川の小説大ファンである丸富は、会える喜びを胸に初担当として赤瀬川の役に立つことを願ったが…性的なことに不慣れながら生真面目に対応しようと奔走。しかし、本人を他所に自分の書く物に関心を持つように見える丸富を苦手に感じる赤瀬川。真っ直ぐ過ぎて最初から苦手意識があったが、それは本能的な直感。ひたすらに小説の主人公を理解しようとし、その先にある作家のココロに触れようとする丸富に、暴かれる恐怖心からくるもの。幼少期に母が離れていった経験から、人の心は変わるものと、自分も他人も表面しか見ないことで守ってきた本心。丸富に初めて触れられ、純粋な彼ならば大丈夫かもしれないと安心感を得ることで関係が変わる。丸富も赤瀬川本人を知ろうとすることから恋心を知る。一見、正反対の2人だがココロを求めることは同じ。晴れて繋がった2人だけど、最後に来て恋人と思っていなかった丸富の律儀さよ(笑)ココロに触れるのに性別は関係なく、寂しがりやの赤瀬川には、丸富くらい実直な人が必要だったのだろう。赤瀬川のモノローグが段々と深層から表層(自覚)に近づいていく様が人間らしい。エチは白抜き、キスシーンアップが印象的。意外に深い作品でした。
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