灰かぶりコンプレックス
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灰かぶりコンプレックス

木下けい子

ダーリンが尊すぎる

ネタバレ
2022年11月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 純真無垢で純粋で人を疑うってことを知らない智紀くん。スマートだけど王子さまどころか王様並みの唯我独尊っぷりでセレブでスパダリな直純さん。恋を知らず、知って目覚めるのは誰──
作家さんの小気味よいトーンとストーリー運びが絶妙です。展開や間合い、台詞選びも最高のスパイスになっています。
5巻の現在、数々の難関をくぐり抜けて直純さんのマイスイートダーリンの座に着いた智紀くんがめちゃめちゃ健気で仔犬のようでかわいいです。ちょっと天然入っててずれてるところもポイントです。もしかしなくても経験豊富な直純さんは、きっと、心震わせるような相手は智紀くんが初めてで初恋でしょうね。智紀くんも恋愛経験値ではまだ第一段階をスタートさせたばかりなので噛み合わない二人の時間ややりとりも愉快です。早くどっちかが経験値あげて相手を包み込まないとちょっとずつずれたままになって、大変なことになりそうではらはらするところもあります。まるで読んでいるこちら側が二人に恋しているかのようでふ。
直純さん~早く庶民の心、気配り演歌、恋愛経験値を上げないと智紀くんを虎視眈々と狙うライバルは二人の失敗を待っていますよ!(厳格には智紀くんの不幸せを望まないので失敗は待っていないけど) ミチルさんは元々智紀くんねらいだったし。カナちゃんに至っては本当はちっちゃい頃から智紀くんを好きだったんじゃないかな、今も好きなんじゃないかなってところがいっぱい見られるので、かわいい智紀くんの周りには智紀くん狙いの王子さま候補しかいないです。
何度読み返してもおもしろいです。その度に智紀くんの尊さにうるっとして、直純さんの愚鈍さにイラっとし、二人のすれ違いと心通った出来事の繰り返しに一喜一憂です。不穏な影を感じさせながら次巻へ続く状況に胃が痛くなります。早く続きが出ないかな(>_<)
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