親愛なるジーンへ
」のレビュー

親愛なるジーンへ

吾妻香夜

慈愛に満ちた物語

ネタバレ
2022年12月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 私はこの物語で最強のスパダリ(?)を見付けました…すごい…なんでこんなに無償の愛を注ぐことができるんだ……!!路上で拾った美しい若者を囲い込んで✕✕✕✕…みたいなろくでもない年上オヤジ攻ばっか見てきて腐りきった心が、見事に浄化されました。ジーンも優しくてとても良い子なのですが、特にトレヴァーが素晴らしい。人道とか善意という言い方では足りない、慈愛に満ち溢れたとても心の美しい人でした。
ジーンのアーミッシュ出身という特殊な生い立ちや心のありようは、私には十全には理解できていないと思いますが、若者の持つ焦燥、何者かにならねばという焦りは普遍的なものとしてひしひしと伝わってきました。トレヴァーがそれを見守り、寄り添い、やがてその手を放すところはとても感動的で美しかった。トレヴァーの甥っ子の働きもあって、二人は再会しハッピーエンドとなりますが、この結末があってもなくても素晴らしいお話だったと私は思います。
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