好きなひとの好きな人
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好きなひとの好きな人

星倉ぞぞ

突き抜けたヤバさがいっそ清々しい

ネタバレ
2022年12月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さん買いで積ん読から。色んな意味でヤバい!早く読めば良かった〜!表題作のみ全5話+描き下ろしで合計188ページの本作品は、医大生の蜜彦×空のお話。小学校時代の出来事をきっかけに、そこからずっと2歳年下の蜜彦に片思い中の空が、ひょんなきっかけで意中の蜜彦と接触する機会ができて…というストーリーです。「好きなひとの好きな人」というタイトルから一方通行の切ない三角関係なのかな?とか、逆にピンクの表紙や小熊&蜂屋という名前からほんわかプーさん系かな?とか普通思うと思うんですが、全然違ってびっくりしました!なんか蜜彦に裏があるんだろうなと思ってたんですが、1話終わりで蜜彦のかばんの中を見てそれは確証に変わります。あ、これはヤバい奴だと笑。全体的には可愛い感じなのに、そこにねじ込まれるサイコ具合が凄い良い。可愛らしい絵柄なのか空の性格のおかげなのか、ゾワッとするんですが、嫌なゾワゾワ感じゃないんですよね。多分もう少しいくとゾワゾワし過ぎるんだと思うんですが、そのギリギリを行くゾワッと感で、逆に物語に良い緩急が付いてとても良いバランスだったと思います。二人とも相手がお互いじゃないと成り立たない関係で、サイコパスなのに愛情深くてイチャラブしている不思議。唯一無二な関係なんだなぁと。蜜彦がしれっと例の参考書を持っているのも良いし、当たり前のように飲み終わりのカップを交換してるのも良い。サイコパスさと執着愛が絶妙な一作です。
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