このレビューはネタバレを含みます▼
うわ〜。これは巴里子先生の作品の中でも特別大好きな2人になってしまった!
男子校の先生(卒業生で同級生で初恋?同士)2人の話で丸々1冊。
恋愛はBLには珍しいほどサクサク進みません。その代わりに巻き起こる高校生活の諸々が楽しくて、読み終わるのが惜しいほど。
先生達の高校時代と再会からきちんと恋愛になっていく彼らの関係だけじゃなく、教え子たちの高校生活が同時進行なのがたまらない。
私に男子高校生だった過去はない筈なのに何とも言えない懐かしさと不思議なきゅううううう〜ん!が止まらないのは何故。
顔は綺麗なのに超絶変わり者の生物教師八神。同じ学校に赴任してきたのは美術教師の諸星。
2人には高校時代、誰にも言えない秘密があった!のか?
高校の卒業式、他の友人達の誘いは断ったくせに諸星をカラオケに誘った八神。このシーンには自分の高校の卒業式の日のことを思い出してちょっと泣きそうでした。
恋愛じゃなくても、ちょっと特別な友人と、他の友人達の誘いを断って内緒でお酒飲みに繰り出した。あの頃、自分がどれほど彼女たちを心から好きで、友達だということが嬉しかったか。大人になって色々あって疎遠になって、思い出すのも辛くなっていた筈なのに。
あの時の楽しさ、大好きな友人がいるという心強さを純度100パーで蘇らせてくれた巴里子先生ありがとう。
BLは確かにファンタジーだけど、諸星先生も八神先生もどこかに存在してる気がする。おかしなリアリティーがあるんです。
真面目で常識人の諸星先生、変わり者だけど可愛い八神先生。でも恋愛のキラキラは彼らを変えていくし、「俺のかわいい人」は一体どっちなんだっていうね。
巴里子先生の作品はやっぱり良いな。
男同士の色恋だけじゃない、人生の乗り越え方、他人同士が共に生きていく姿を読ませてくれる。
久しぶりに晴れ晴れした気分になれました。