血の轍
」のレビュー

血の轍

押見修造

親と子とは……………………

ネタバレ
2022年12月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読了後直後の気持ちを書きなぐります。ぐちゃぐちゃにかき乱されました…。
作中、静一が母親に対して様々な感情を抱き、そのたびにどんな人物かというイメージも変わりますが、本当にひとことでいうと紹介文の「毒親」になるんです。たんに悪い親…ではなく。
私の可愛い子…と大切に思う気持ちはたしかにあったでしょう、自分次第でどうにでもなる弱い存在と都合よく扱った、追い詰める脅威に感じることがあった、親戚からの哀れみを受ける立場として仲間であった、まったくどうでもよい石ころのようなものだった、見せてくれた一面は全て本当だったのだと思います。
だからこそタチが悪い。ハナから邪魔者として扱って大嫌いだ!と宣言されれば子供も血縁という点に目を瞑れば親を突き放せますし、周りも支援できます。読者的にもやったれ〜!ボコスカ!爽快!となるでしょう。しかし…そうは…ならんかった…………。まさに毒の親です。子供の心をじわじわ蝕んで気づいた時には未来まで腐っていたという話でした。時間軸飛んだ時驚きました、何も考えられないまま、仕事ですらなにか判断しなくてすむようなものを選ばざるを得ないまま…時間だけすぎてしまった…………。
朝ごはんなににする?と二択かフリーで問うてくるのが何回かありますが、自分で選んで返す→母の顔色伺いながら→どもって返せない→自分の意思(ではない)で母の作りたそうなものを言う となってて、この質問を追えば関係性まで分かるという… 印象にのこるやりとりですね
朝ごはんのチョイスとして肉まんとあんまん、に違和感があるのも正しかったのですね

最終巻まで読んでから完結していない(これから本編とは…………??????)ことに気づいて絶望していますが、小さい親孝行でもしながら続編を待とうと思います…
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