勘違い、ときどき恋【特典付き】
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勘違い、ときどき恋【特典付き】

文川じみ

平のおバカな男子感が良き!〜13日セール中

ネタバレ
2022年12月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さん買いです。じみ先生の作品は結構持ってるんですが、こちらの作品は特に同録の短編が怖いというレビューを散見していたので、カートに入れたり戻したりを繰り返していました。でもやっぱり表題作の試し読みの続きが気になる!ということで、今回セール中に購入しました。結構こわごわ読んだんですが、思ったより良かったです。
表題作4話+短編1話+描き下ろしで合計181ページ。人より鼻が利く平が、中学時代に助けてくれた人を匂いだけを頼りに見つけ出すお話です。バカ正直で真っ直ぐぶつかっていくタイプの平、すごい良かったです。結構クールな感じかと思いきや、同級生といる時とか「ちょっとおバカな男子」感が出てるのも良かった。ともすれば暗くて重い雰囲気になりそうなんですが、平の明るさがその重さを良い意味で吹き飛ばしています。美里先輩がいる時でなく、いない時に平常運転で先輩への好意を態度や言葉で表している(主にタオルの匂いを嗅ぐなど笑)のがすごい推せました。中性的なビジュアルの先輩に、たち振る舞いや言葉遣いとか男らしさが残っていたのも良かったです。同録の短編は確かに闇で、私は明るい作品が好きなので好みというわけではないんですが、じみ先生がこういう闇系を描かれることに対して引き出しが多いなぁと感動を覚えました。最初ただのナルシストかと思ったら、回想部分であれ?となって、助けに来た人を見てあれ?となって、最後の最後でまたあれ?となって…。24ページという短いページ数の中で、どんどん深みに沈んでいくのが逆にすごい。結局最後まで救済というか光は全く見えないので、合わない方には合わないんだと思いますが、24ページと短いページ数で全体のページ数をそこまで圧迫しているわけでもないかなと。気になる方はこのセール期間中にぜひ!
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