ボーイミーツマリア
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ボーイミーツマリア

PEYO

優と大河のその先も見たかった

ネタバレ
2022年12月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 動きのある描き方、表情、とても絵が上手い作家さんです。BLでは幼い子供の性被 害の描写で、行為の身体的損傷よりメンタルへの影響、トラウマの方が重視されている傾向があると感じています。しかし、この作品ではしっかりと描かれています。血まみれになる子どもの体、現実では、一生排泄に苦しむ傷を負うこともあります。また優の悲劇の原因になった、完璧を求める母親のエゴで本来ではない性別を子供に押し付け、それに従順にしたがった優は取り返しのつかない被害に遭ってしまいます。これは世の中の過剰なLGBTQの活動でこれから増えそうな問題です。BLはファンタジーとして、いつもはハッピーエンドにこだわって作品を見ているのですが、その辺をごまかさないで描かれているところが、この作品をただのBLに終わらせない深い作品にしていると思います。終盤は、過去を乗り越えたようにみえる優が大河と補い合って穏やかに生きていく未来がみえてほっとしました。大河のお父さんが妻のいる病院に遅れた理由が、いつか優から大河に伝わることがあればいいな。PEYOさんの作品、もっと読みたかった。
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