【電子限定】翼なき彼ら
」のレビュー

【電子限定】翼なき彼ら

西田ヒガシ

2番目

ネタバレ
2022年12月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ とりあえず、2回読んでレビューを書く(笑)雑誌で飛び飛びで読んでいたときは???だったけれど、通して読んだからといってわかった訳ではなかった(笑)
孤独と子ども(次代に繋ぐ)と2番目に愛する人。皆には見えない翼は、落ちた羽は実体化する。命を削って他者に与えて生きている。己の本心は隠し家庭と子どもをもった睦。信じ寄り添う人を作らず、子どもを持たなかった木田。幼き頃に大切だと思った2人同士。ままならなくても数十年生きてきた。2番目に愛する人を思い出したら1番目は救われる。翼は生かす象徴なのか。1番目は結局、自分だったのでは?と感じた。木田は生まれるはずだった命を見た。鳥の神様?は、彼は生かすことができないという。既にない命を思いだし後悔して、また男と、睦との情事を思い出したら命の交換になったような。それが大事だったから。そうしたくて、できなくて深層に沈め表面ではなかったことになっていた思い。睦と木田の両者の思いが、幼き頃に願った睦と一致したから。最後に死んだ鳥に寄り添い羽ばたく鳥が象徴するよう、再生がテーマなのかな。西田ヒガシ先生のお話は、ファンタジー要素がメタファーになっているようで、一筋縄で行かない人間の心理を形にしているような。睦は娘が好きだった髭を剃ってよかったんだな、と全部に意味を感じる。説明もないとこ、西田節が好きです。
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