ぼくのパパとパパの話
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ぼくのパパとパパの話

ろじ

誰が幸せの定義を決めるのか?

ネタバレ
2023年1月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 以前1話目を読んでからコミックスにまとまるのを心待ちにしていました!表題作のみ全6話+描き下ろしで合計183ページ。大学時代から付き合っている奈央と愛が、籍を入れて息子・ひろを養子に迎えて、新しく家族として人生を歩んでいくストーリーです。同性婚が認められるようになったという背景ですが、でもまだ一般の人の価値観はそこに追いついていなかったり、同性カップルとして当人達も引け目を感じるところがあったり。時代が変わろうとする過渡期が、あれ?これ現実に今起こっていることかな?と錯覚するくらいリアルに描かれています。複雑な家庭環境から繊細に物事を受け止める奈央。内容も内容だし、ともすればもっと重たいシリアスな内容にもなり得るのに、軽快に読ませるのはもちろん作者さんのセンスと、愛&ひろの性格ですよね。だからといってただ愛が明るいだけじゃなくて、愛も愛なりに葛藤したり、何を一番大事にしたいか考えたり、明るくバカをやってるだけじゃなくて、きちんと考えているのがとても良かった。そして言わずもがな、愛のご両親の存在がとても大きい。千差万別なので皆が皆愛のご両親のようだったら…とは言えないけれど、愛の両親のような人が増えたら全世界の幸せ数値が間違いなく上がるんだろうな。ひろの赤ちゃん具合もすごいリアルで、自分の子育て期を思い出しました。本作品ではキス止まりなので、ポジションは不明ですが、そういった描写がなくても全く問題なかったです。(作者さんのTwitterによると、先生が考えているポジションと私の想像が反対だったので、むしろ具体的描写がなくて良かったかも笑)
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