心を殺す方法
」のレビュー

心を殺す方法

カシオ

一気読み必須!ストーリーに惹き込まれる…

ネタバレ
2023年1月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ まず深夜から読み始めるのは危険です。ページを繰る手が止まらなくなるから!おかげで今深夜の3時です(泣)
私が英さんを好きすぎて、全てのタイミングの悪さに何度も身悶えました。あの時、もっと春樹に踏み込んで話を聞いてあげてたら…、あの時、縋ってきた春樹の手を離さずに恋人として復活していたら…読み終えてもなお、英さんエンドを夢見てしまう自分がいます。それでも、傍観者にならざるを得ない結末、きっと真っ当な人間である英さんにはそれしかなかったのだろうな、と納得してしまう自分もいて。本当切ない…。
光も何故か嫌いになれない。美しさと妖しさ、そして執着、あっこれ私の好物でしたわ。女性からの性的嫌がらせ、女性からの好意により友人も失い、一人で生きることを選択していく光。心が死んでいく中で、春樹だけが心に差す一筋の光に思えたのでしょう。それを家族愛ではなく、恋心と捉えてしまったのが坂道を転げ落ちる第一歩。春樹も含めて周りを巻き込んで、落ちる落ちるどこまでも。でも落ちた先には、やっぱり春樹が居たのですね。一人で生きる選択をしたはずが、ラストで春樹からの罪の告白という形での歩み寄りがあり、心の壊れた義兄を手に入れて…幸せそうな光。それが暗い落とし穴の底だとしても、光目線ではある種のハッピーエンドかな。
ずーっと光→春樹への想いは伝わらないまま続くけど、4巻一番最後の…春樹が光に買ってあげた本を、ボロボロになるまで読み、まだそれを宝物と光が言う様子を見て、春樹が光の愛を理解する…とか!だったらいいな!と勝手にハピエンに繋げたくなる症候群!
あーとにかくすごかった。カシオ先生のは毎回すごい。また読む。
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