カラオケ行こ!
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カラオケ行こ!

和山やま

「紅」リピート作品

ネタバレ
2023年1月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 昨今のインフレ値上げラッシュから逆走、いや暴走行為のセール。何事ですか。
2度見3度見必須、何かの罠…かと思いましたよ。
はい、無事に買えました。
さぁ善は急げ!

夜、傘を差すヤクザと大人しそうな中学生。暗闇に映えるネオンカラー。既に表紙から伝わる独特な感性にワクワクしますね。

合唱部の部長の岡君を拉致し、歌を教えて欲しいと頼むヤクザの狂児。
この親和性の無い2人がどう進むのか、和山先生の手腕が光ります。
まず岡君が見た目に反して意外と直球で図太くて腹が据わっている。拉致されたカラオケで炒飯頼んじゃうんだから。
まさかの「紅」に対するアドバイスが辛辣w

狂児の今までの経緯を説明するテンポが良い。
岡君のやや毒舌気味なアドバイスを参考にしつつ、毒を流すのがお上手。

岡君とのやり取りに優しさが溢れていて良いコンビだなと思います。

ちょこちょこ出てくる他のヤクザや合唱部の人達の人物描き分けがお上手で、彼らの性格や生活が感じられますね。画力が高い。

子供から大人に変わる思春期。
心も身体も変化する成長期。
残酷な変声期。
親にも打ち明けられない岡君が狂児に吐き出した本音。岡君もまた狂児に救われてたのね。
でも「フリーザ」って…さぁシリアスに笑わせないで。こーゆーのが和山先生節なんですよ、大好き。ねぇザーボンさんドドリアさん。
フリーザが良い得て妙で。
少年時代から思春期を経て大人になるまでに、様々な困難、怒り、苦しみ、最終的には自分を受け入れて第4形態のフリーザの様に強く丸く綺麗に収まるのが大人になると言う事かとフリーザ深読みしました、
多分違うと思いますが。

和山先生と同年代でしょうか。ガチ歌のチョイス、カラオケ天国、そこはかと無く昭和後期から平成を醸し出して安心します。

購入して損は無い作品だと思います。
セールは逆に内容と値段が釣り合ってません。いつ買うの?今でしょ!
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