このレビューはネタバレを含みます▼
作者様買い。これはとんでもない作品に出会ってしまった、というのが読後の感想。義弟×義兄のお話で、正直ハッピーな気持ちになれる瞬間がほとんどありません。幸せなラブシーンはほぼありません。だけど、終わり方が私は好きでした。精神の深いところまで墜ちた人を救えるのは、太陽のような明るい光ではなく、同じく深淵をのぞいた者なんだと思います。作中に出てくるサガン著『悲しみよこんにちは』がこれまたこの作品を彩るに相応しい作品。他の誰にも許される必要がない2人だけの世界で生けていけたら、これはもう幸せと呼んでいい。そういう意味で、個人的にはハッピーエンドだと思いました。