ロスタイムに餞を
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ロスタイムに餞を

ココミ

解せぬ!!

ネタバレ
2023年1月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ カバー絵が語る切なさと色味が好きー!と思いました。別れから始まるお話ってのにも期待が膨らみました。
でも初読の時に共感できなかったのがすごく残念!と心残りだったので今回再読してみました。

浮かんだ疑問が「なんで尽は別れようと思ったの?」です。
とても大事な疑問点なのでそこを理解しようと思いながら読んだのですがどこまで読んでもその理由がわかりません。
イヤ、文字でちゃんと書いてあるんですよ「なんかもう駄目だった」って。そこを掘り下げて共感を得る方向なのか?って思うじゃないですか?若しくはこんな感情の発露と行き先の描き方があったのか!と新たな扉を開けにくるのか?って。
でもあったのは要約すると「言ってくれなきゃイヤ!」「かまってくれなきゃ寂しい!」「お前が変われよ!」というね。
うーむ、これってパートのオバちゃんらが日々垂れ流している旦那の愚痴と同じじゃねーの?
………
会ってしまえば身体で絆される、それをわかっていながら会いに行ってしまうのはまだ好きだから…というのはすっごく良きなんですよ!人間の弱さとズルさが如実に表れててしかもエロいです。
一緒に観戦した試合で盛り上がった熱量のままイタす、4年前の記憶も一緒に…って流れも好きです。滾ります。
全編通して、とにかくお互いまだ好き同士ってのは痛いくらいに伝わってくるんですよ!
尽が、お互い理解し合うのは難しいと知っていること。
桐生に謝って欲しいことなんて本当は無かったと気づいたこと。
他にも色々とつくしクンはあと一歩なんです。
けど結局は先述の通り。
一緒に居るのが辛いからってんなら、もっと退っ引きならない事件や気持ちをブッ込んで欲しかった。
なまじ作品の他の部分(桐生の心情とか)や雰囲気が良いだけに、尽の人となりの薄っぺらさが際立ってしまいました。
再読してもやっぱりソコが解せません。
実に惜しいです!
あと桐生を「とうい」って読むのが最後まで辛かったな。
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