悪癖 【電子限定特典付き】
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悪癖 【電子限定特典付き】

イイモ

「やおい」「耽美」のころの関係性を感じた

2023年1月26日
3巻まで(4巻未読)読了。お勧めを受けて購入。自分だけでは買わなかったであろう作品。

小島(受)も半分嘘で生きているようなキャラだけれども、読者としても、のちのち明らかになることが多くて「そうだったのか!」「騙されてた!」と振り回される。その振り回される感覚が、嫌ではなく、ミステリを読んでいるときのよう。

自分が最近読み慣れているもので得られる萌えとは異なるが、受け攻め2人の人間の関係性には胸を絞られるような感覚を覚える。どこかブロマンスものとの近さも感じる。

似てないはずなのに2人一緒になると双子のような2匹のウロボロスの輪のような。2人でいることで完成されるが、2人だけで完成してしまうので他者には閉ざされている感じ。お互いによってお互いが救われるのか、お互いによってお互いが滅びるのか分からない危うさが、先を読みたくさせる。

このジャンルが「やおい」「耽美」といわれていた頃は、こういう関係性の作品が多かったような気がして、どういうことだか考えてみたくて、とりあえずレビューとしてメモさせて貰いました。

追記:
あとから萩尾望都『トーマの心臓』のトーマとユーリを思い出した。勝手にユーリのために、と命を捧げてしまうトーマと、自らを圧倒する贈与に怒り、戸惑い、しかし最終的に救われちゃうユーリの関係性に、ぜんぜん違うけど、でも、どこか小島と大門は似ているように思えた。

追々記:
4巻まで読みました。トンネル、抜けてこられて良かったね、と、本当に頑張り切った2人を祝福したい気持ちです。
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