ウサ耳オメガは素直になれない【SS付】【イラスト付】
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ウサ耳オメガは素直になれない【SS付】【イラスト付】

海野幸/小椋ムク

ツンが強いだけにギャップがすごい

ネタバレ
2023年1月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ ギャップ萌えは男女問わずにあるが垂れ耳ウサギ理人のヒート中は汐見じゃないけど、カワイイが過ぎる。
オメガバの世界観でもひときわ特殊な設定。オメガのみ動物耳を持って生まれる。これは明らかに差別が生まれることは容易に考えられる。それ故成人頃には耳を切るという選択肢を与えられ、それぞれ自己判断で手術は行われる。理人は昔の交通事故時に意識不明の間に切除された。元々耳があることを親として受け入れられない様子の親の元育てられていたので、耳が知らない間に無くなっていた事の傷に蓋をし続けていた。一目惚れのアルファであろう汐見が開発したあるもの、そしておなじオメガでありながら耳を切ることをしなかった後輩来栖が来ることで、理人のアイデンティティが大きく揺さぶられる。

かなりネタバレてしまうけど、生まれたときから一定年齢まで身体の一部として見えている範囲で機能していたものを失う喪失感は半端ないと思う。いくら機能は失われてても腕や足を事故や病気で切断されたのと同じくらい辛いし、情緒不安定になるだろう。男性が睾○を1つなくしたり乳がんで胸を一部切除したりするのと同じ辛さがあると思う。オメガだから、耳が目立つから、耳として機能してないから……。そんな理由は切られる方はやっぱり納得できるものではないだろう。胸もつけ胸があるようにセラピー的な物が絶対に必要だろうと思った。
なんか理人がいろんな形で胸をいためるたび、涙を流すたびに一緒になって泣いてしまった。

サラッと大事なことを書いている作家さんはホントにすごい。ただのオメガバではなくとにかくいろんなことを考えさせられました。
ほんでもって攻めたんのアルファ善とした汐見が細かく優しい。

そして何と言っても理人が可愛過ぎる。ヒート中ヒート前、何なんだー!!と叫びだしたい。汐見の苦悩も分かる。素直で寂しがりやな垂れ耳ウサギ感が半端ない。もう悶えまくる。良かった良かったとダダ泣きしちゃう。いっぱいいっぱい汐見に可愛がってもらってほしい。

物語はいい裏切りがあり、ほんと皆さんに読んでもらいたい。面白かったです。
理人のヒート中の可愛さに受けのあざとくない可愛さダントツ1位で☆1つあげたい!そういった気もちでは☆6つです。
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