踊る阿呆と腐れ外道 【電子限定特典付き】
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踊る阿呆と腐れ外道 【電子限定特典付き】

あかねソラ

最後までほの暗さが漂う

2023年1月29日
タイトルで『どんなお話だろう』と気になり購入。時代は大正。千代森家に仕える従者の芳野✖️千代森家の養子・伊月のお話が上巻、下巻は千代森家の当主・環が主役です。
うーん、登場人物に誰一人、全く感情移入ができないまま、物語に引き込まれないまま、最後までもやもやとした嫌悪感を抱えたまま読了してしまいました。
一言でいうと登場人物の好感度が低い。個人的にですが。好きだと思えるキャラクターがいないので誰にも感情移入できず。心理描写もモノローグも理解できず、上滑りしているように感じました。
主要キャラクターが全員まぁまぁなクズ要素を持っているので、好みがハッキリ分かれる作品だと思います。
そのクズ要素をキャラクターの魅力にまでは昇華させられていない感じというか、私はダーク系作品が好みではないので、ただただ嫌悪感を感じてしまって…。全体的に病んでいます。
キャラクターの掘り下げがもっとされていたら感じ方が違ったかなと思いますが、伊月にも芳野にも魅力を感じなかったですね…伊月、そんなに才覚あるの?芳野のキャラクターもイマイチよく分からない…。自分勝手な二人で幼く感じました。
環も大概なキャラクターではありますが、下巻の方が物語としては魅力的に思います。可哀想な人物ではある環…。結城とのお話ですが、結城もなかなかのクズなので…。救いがあるのかないのか。
どんなお話?と思って読み始めましたが、読み終わった後の感想は、何のお話だったの?という感じ。
人間の愚かしさや浅ましさというほどの深さは感じませんでしたが、そういうものを描きたかったのかな?だとしたらタイトル回収になっているのかも。
無理矢理描写、他の男と…描写が地雷な方要注意。
自分の好みの問題ですが、なんとも後味がよくなかったです。雰囲気のある作品ではあったと思うので☆3。
下巻の方が物語としては厚みがあるので上下巻とも読む方がいいかと思います。
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