蟷螂の檻
」のレビュー

蟷螂の檻

彩景でりこ

檻から出られない2人

ネタバレ
2023年1月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 本当に切ない。この家族はどこで間違えてしまったのか?父親がクズすぎるに尽きる。蘭蔵はずっと兄でいようとしていた。彼の健気な姿を見るたびに胸が締め付けられた。彼の中で育郎は赤ん坊の頃のままで、最後の「泣いていない」は結構クるものがありました。
普通の兄弟として育っていたらと想像してしまいます。健一やさち子と幸せに暮らしてほしい…。
育郎は優しい子、死んだ目ばっかりで見ていて辛かった。一度でいいから心から笑って欲しかった…さち子や飯田が本当の意味で幸福にして笑わせて欲しかった。ですが、本当の幸福って何?結局これに至ります。育郎や典彦にとっての幸福ってなんだったのか?心中しようとしているシーンが2人にとって1番穏やかで幸福そうに見えました…。蘭蔵が止めに邪魔が入ったと思いましたが、蘭蔵や飯田に再会しほんの少しですが、一瞬光も見えました。駄目でしたが…(飯田ァ)
典彦は苦手です笑 執着攻めは好きですけど、愛というのはお互いを思いやることです。負の感情ですら自分だけに向けて欲しいとかいう狂った奴でした。性的ぎゃく待ばかりで育郎が可哀想です。ですが…典彦の気持ち分からんでもないです、育郎のあの目や表情が艶っぽくて、虜になりました。可哀想なのがすごく愛おしいと感じますッス、、俺も抱きてぇ〜。
典彦は愛し方を知らなかったんでしょう…生い立ちを聞くと不憫だと感じます。そして、この作品のMVPは間違いなく、さち子。彼女は本当に強くて素敵な女性でした。性慾というものとは対照的に描かれていた存在だと思います。育郎は性の対象としてみていませんでしたが、お互いに敬愛が少しずつ育まれていたんじゃないかと思います。もしifストーリーがあるとしたなら育郎とさち子にはぜひ平凡に穏やかに暮らして欲しいと心から願っております。(読者のエゴです)
あと、飯田くん…彼も性の対象として育郎を見てはいたものの育郎を大切にしたいという気持ちがあり理性を貫いた人、運命が噛み合わなかったのか、入り込む勇気がなかったのか惜しかった人。彼とのifストーリーがあるとするならばぜひ、育郎を奪い取って心の温もりを本当の愛を教えてあげて欲しかった。この2人のエンドめっちゃ見たいし、兄弟和解するエンドも見たい!いろんな分岐みたいからゲーム化してくれ!頼む!!!みんな檻から出られたけど2人だけは狂ったままでしたね、メリバ最高😊雑
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