『花守り』は星5つ





2023年1月30日
183ページ。
8作入り短編集。
著者の得意分野である日本中世ものが主です。安定感ある昔話的作品集。
・『石の赤子』お寺の稚児に片想いをした長者の姫君が、稚児と結ばれることを願って夢に見てしまったがために、罰としてずっと他人を悪い夢から助ける償いをさせられる話。因に対して果がひどすぎない……?と現代者の私は思います。石の赤子はその他人の悪夢の内容で、そちらはめでたしめでたしで。
・『かくれ里』長者の息子の、異界でのひと時の恋。
・『花守り』老人が大切にしている枯れ木は実は……という話。老人の若かりし頃、村に背いて守り通した純愛がすてき。誰も知らないのが切なくも美しい。星5つ。
・『苦い泉』旅芸人の親に先立たれた子供二人が、ごうつく名主の元で苦労をするも、親切な心で幸せになれる話。名主、もっと酷い目に遭えばいいのに。
・『宝の嫁』没落した公家の若様が、欲を張って不幸になる話。若様と一緒に叫びそうになっちゃった。
・『君よ知るや南の国』親の形見の南蛮櫃を大事にしている混血の遊女にまつわる、ちょっと不思議な話。
・『夢の底の人形』前世の因果に苦しめられる僧の話。這子人形が不気味で良い。
・『稀人』寺の和尚にこき使われる少女のもとに訪れるマレビト。すっきり勧善懲悪。和尚は胸糞。
〜〜〜〜〜
「気楽なかわいらしい、おとぎ話のようなものを」と著者があとがきで書いていますが、おとぎ話はともかくとして、かわいらしくは無いだろう(そこが著者らしくて良い)w また、元ネタがある話もない話もあるということなのですが、教養不足でどの話がどっちなのか判然としないです。元があるのは記載しておいてくれると、元の話も読めて助かるのにな。
8作入り短編集。
著者の得意分野である日本中世ものが主です。安定感ある昔話的作品集。
・『石の赤子』お寺の稚児に片想いをした長者の姫君が、稚児と結ばれることを願って夢に見てしまったがために、罰としてずっと他人を悪い夢から助ける償いをさせられる話。因に対して果がひどすぎない……?と現代者の私は思います。石の赤子はその他人の悪夢の内容で、そちらはめでたしめでたしで。
・『かくれ里』長者の息子の、異界でのひと時の恋。
・『花守り』老人が大切にしている枯れ木は実は……という話。老人の若かりし頃、村に背いて守り通した純愛がすてき。誰も知らないのが切なくも美しい。星5つ。
・『苦い泉』旅芸人の親に先立たれた子供二人が、ごうつく名主の元で苦労をするも、親切な心で幸せになれる話。名主、もっと酷い目に遭えばいいのに。
・『宝の嫁』没落した公家の若様が、欲を張って不幸になる話。若様と一緒に叫びそうになっちゃった。
・『君よ知るや南の国』親の形見の南蛮櫃を大事にしている混血の遊女にまつわる、ちょっと不思議な話。
・『夢の底の人形』前世の因果に苦しめられる僧の話。這子人形が不気味で良い。
・『稀人』寺の和尚にこき使われる少女のもとに訪れるマレビト。すっきり勧善懲悪。和尚は胸糞。
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「気楽なかわいらしい、おとぎ話のようなものを」と著者があとがきで書いていますが、おとぎ話はともかくとして、かわいらしくは無いだろう(そこが著者らしくて良い)w また、元ネタがある話もない話もあるということなのですが、教養不足でどの話がどっちなのか判然としないです。元があるのは記載しておいてくれると、元の話も読めて助かるのにな。

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salmon さん
(女性/50代) 総レビュー数:2126件