運命すらも呼吸をとめて
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運命すらも呼吸をとめて

滝端

BLアワード2023 ノミネート作品!

ネタバレ
2023年1月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ めっちゃよかった…。いやぁ、私これずっと読んだもんと思っていまして…いやはや遅くなりました。

この作品は、オメガバースでは時折見かける突然変異をテーマにしていますが、珍しいのは受けも攻めもなっちゃったという点。2人が惹かれあっていて、本能で番いたくて変異したというのではなく、変異した2人が出逢って恋をするというのが新しいですね!個人的にはどちらかというと、受けは若干小柄な方がタイプなのですが、恒吉は元アルファだけあってガタイもいいし、オーラもかっこいい!そんな見た目攻めの受けが、麻川にだけセクシーになるんですよ!たまらんです(//∇//)

アルファ至上主義だった恒吉は、オメガの立場になってたくさんの壁にぶち当たります。今まで自分が思っていたことがそのまま返ってきて、夢も希望もなくしかけますが、強く凛と咲く花のように一生懸命生きようとする姿に心打たれました。自暴自棄になっても仕方ない立場なのに、「全部投げ捨てたら今までの俺が可哀想だろ」と、麻川がいてくれたこその自分だと考えられる恒吉と、そんな強くて逞しい恒吉は自分なんかにふさわしくないと、アルファであることにもこの世界にも悲観的な麻川。対称的な2人が惹かれ合いながらもすれ違い、それでも求め合っていきます。ヒヤヒヤドキドキする展開も、2人を結びつける大きなきっかけになりますし、最後には大きな幸せが待っていますので、安心して読んでいただきたい!麻川くんが化けますからね!(≧∀≦)どえりゃ〜かっこよくなります!

麻川の過去は最後の方で語られるのですが、描写が欲しいと思う人もいるかもしれません。でも所々にあったシーンや言葉が大きな説得力をもち、今までの麻川の言動が全て繋がります。人としても素晴らしく成長し、溢れんばかりの魅力でキラッキラの2人をぜひご堪能ください。描き下ろしも最高に最高で、肝心のあのシーンもそれはそれは美しく描かれています。アワードにノミネートされたのも納得の、素晴らしい作品!
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