玉響
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玉響

ゆき林檎

文学作品のような美しさ・・・・

2023年2月5日
大正時代という近代の真ん中で、華族制度や内縁関係・庶子などの古いしきたりと、新しい時代への躍動の入り混じった、魅力的な時代背景に、ハーフという目立ち差別される立場、幼なじみへの想い、再会に葛藤・・・・世間には全く認められない恋・・・・
日本の男色の歴史を見ても、稚児・小姓・陰間など同性愛というよりも、女性の代わりに欲望の捌け口に利用された感が強く、江戸時代の陰間茶屋も18世紀頃迄で、明治以降は同性愛はタブーで、子孫を増やし、家の存続や世間体が大切な時代に、婚約・結婚を親に迫られ、想いを断ち切ろうとしても無理で、自分の想いを伝える為に思い出の玉響で再び巡り会える・・・・あまりにも切なく美しいまるで文学作品のようです・・・・漫画でありがちな主人公のルックスで惹かれるのと全く違います!
人を好きになるのは素晴らしい事で、報われる報われないに関係無しに、トキメク激しい恋をするのは、本当に幸せな事だと、つくづく感じさせられました・・・・
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