九尾の狐と子連れの坊主―永遠に―
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九尾の狐と子連れの坊主―永遠に―

三原しらゆき/りんこ

やばいです…

ネタバレ
2023年2月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 以前から安定した画力+画の綺麗さと可愛さに惹かれてはいたのですが、お坊さん…よねぇ…とどこか躊躇しおりました。が、もうねぇ…一気読みですよ、こんなの。レビューの方が口々に書いてますけど、ほんと号泣です。漫画読んで嗚咽を漏らして泣いたの初めてです(苦笑)
生きとし生けるもの全てに平等に訪れる死。生きるものはいつかは必ず尽きるからこそ、その人生は尊くて美しいのかと、最近この年になってやっとそんなことを思えるようになった今日この頃。若い頃は、死に対して恐怖しかなかったですし。あやかしになって、永遠の生を生きるのって想像すると辛い。愛する人がいれば尚の事。共に生きた時間は尊くても、その人がいない世界で、終わりのない日々を送るのはある意味心の死にも似たものかも、とか思ってしまう。1巻から通して、実は毎巻で泣いてたんですが、そこには全て生と死、そこに触れる人や人ならざる者達のいろんな思いや魂が溢れてるようで、感情が入ってきての涙でした。3巻はその集大成で、大切な人との永遠のお別れは悲しいけど、でも人生を全うした者達の最期は、笑顔でお疲れ様でした、天国でも幸せにねっ、て送り出してあげたいな…と、前向きに思えたラストで、とても素敵です。人を一途に愛したが故に、辛く悲しい思いをした玉嵐が、円揩に出会い本当の愛や幸せを知り、素敵な家族や仲間と出会い暮らし、これから先永遠の生を持ち続けても、これ以上の幸せはないと、円揩と共にあやかしの生を終わらせた最期は美しかったです。ストーリーもさることながら、作者様の安定した画力の素晴らしさと愛らしさも、感情移入に拍車をかけてくださいました。本当に画が魅力的で素敵。円仁も可愛かったしぃ。あのじいじさえも、時折可愛かった(笑)可愛さも面白さもありつつの、とても美しくて尊い作品だと思います。いい漫画に出会えた後のこの読了感が半端ない…。やばいです。ありがとうございます!こういう作品こそ、もっともっと評価されて、たくさんの人に読んでほしいなぁ…。
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