このレビューはネタバレを含みます▼
国木理央は父親が顧問弁護士を勤めた竹強会の弁護士見習いとなります。若頭補佐の南美とは、抗争に巻き込まれて亡くなった両親代わりに一緒に暮らしたこともあり、南美は自分が服役している間も借金をしてまで理央の学費や養育費を工面してくれたのでした。それは理央が堅気の世界で生きていく為だったのですが、理央は南美のことが忘れられず竹強会で働くことを決めたのでした。見た目を裏切らない南美のカッコ良さがハンパ無いです。当て馬ポジの若頭•豪太郎のスピンオフは『光木八尋の甘美な憂鬱』で読めます。『愛で縛ればいい』幼い時から美しい叔父の雪広が好きな治は、組長の妾の息子である雪広を我がものとしますが、その魔性に苦しみます。『殺め川 戀の道行き』没落士族の息子•宗輔は、かつて恋した茅太と売られた先の遊郭で再会します。苦海に沈められた宗輔と逃げなかった籠の鳥の逸話とがリンクします。『言うに言えない』貴族の坊ちゃま×侍従『リトルウィング』国会議員の兄からの命令で遺書を遺して飛び降りようとしている秘書の悠二をヤクザが引き留めます。兄への思慕を断ち切る為に死をも辞さない悠二には、その猛禽類とような男の背には羽根があるように見えるのでした。いずれも表情の描き分けが素晴らしく、幼い子のキラキラした表情が印象的でした。