うそつきあくま
」のレビュー

うそつきあくま

雁須磨子

大好きじゃん二人とも

ネタバレ
2023年3月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 実はだいぶ前に少し見てかなり興味がありつつも、レビューで宇郷さんが酷すぎるみたいなことを見かけてしまって酷い男に振り回される主人公を見るのは辛すぎるなと思っちゃってハッピーエンドな結末だけ拝むために下巻だけ購入するという状態で放置していたのですが、このたびセールに出ていて思わず怖いもの見たさで上巻も購入した次第です。下巻だけ読んでいた時は酷い男に振り回され続けたけどなんとか思いを遂げたというように見えていたけれど、ちゃんと上巻から読んだら凄いお互い大好き同士じゃん!お互いのことめちゃくちゃ必要なんじゃんて泣けて泣けて。これ、オトナの恋愛によくあるやつですよね。付き合ってくださいとか好きですとか小っ恥ずかしくて全部言わないし順序ぐちゃぐちゃだろうがお互い責めないのが良しとされてしまうやつ。改めましてみたいな意思疎通無しでもオトナは許されることだみたいな枠のなかで二人は純愛しちゃってたっていう妙ですね。嫉妬も束縛したい気持ちもお互いありまくりなのに両方自分に自信がないから相手の行動に愛情をいまいち感じられない。あとクリエイティブな仕事してる人の嫉妬や劣等感や自信の浮き沈みに悩まされるメンヘラやらヤンデレやらが入り混じって面白すぎるカオスを生んでる。でもそれらに飲み込まれないほど、お互いへ執着するさまが凄まじくて健気で何度も読みかえしてしまいます。さらにいろんな登場人物それぞれの目線で読み返しちゃいます。主人公二人はお互いへの執着に縛られまくっていてそれも愛おしいんだけども、それを見守る幼なじみ千葉さんやらアシくんやら編集の聖さん。うすうす気付きながらこいつらどうにもならないと思いつつも見守ってくれてる良い人ですよね。最後に出てきた龍生くんが幸せな恋愛に巡り合ってくれてると良いなぁと思いつつこのお話の主人公二人のようには歪んでなさそうで大丈夫かなと思ったりもします。あまりくんがまぁとにかく可愛いってことは上巻下巻ともに感じました。なんならあとがきの包丁もって作者に迫るとこまで可愛い執着愛です。上下巻読んで本当に良かったです。
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