3番線のカンパネルラ
」のレビュー

3番線のカンパネルラ

京山あつき

最後にきて泣けてきた

ネタバレ
2023年3月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ グッときたなぁ。なんでこの作品を今まで知らなかったんだろう。
加納の失恋から立ち直れず、去った彼の言葉を繰り返し思い出す描写に心の不確かさと生き辛さを感じながら、胸が痛む。寂しさと憂いと、それでも毎日が続く疲れ。高校生(カンパネルラ)との出会いでちょっとした楽しみが現実とのバランスをとる。自分のチョロさを呪いながら、ゲイとしての生き辛さと好きな人と一緒にいたい切実な願いが切ない。店長との齟齬にも逃げ出したかったけど、カンパネルラが救い、話すことができた。掴めた幸せも永遠でないことを心に落とすことができて、一緒に解決していけそうな期待を日常に寄せることができて。よかったなぁと思える。最後の鬣と産毛のところで、泣けてきた。エチあるけど、なんかそういうBLじゃない。良質な作品です。
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