イキガミとドナー
」のレビュー

イキガミとドナー

山中ヒコ

命がかかるSFBL

ネタバレ
2023年3月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 雑誌でこちらの後シリーズをちょい読みしてしまい、前段のこちらを読みたかったんですよね。セールで嬉しかったです。
読んでみたら、こりゃまたしんどい💦近未来、人間兵器(イキガミ)がウィルス感染によって生み出され、国際的に戦いが繰り広がれている。イキガミに傷を負わせることができるのはイキガミのみ。武器や兵器は効かない。イキガミの傷を癒せるのは適合したドナーのみ。イキガミに薬は効かない。ドナーの体液、臓器全てはイキガミを生かす。イキガミは治るがドナーは臓器を提供すれば欠損になる。ドナーはイキガミに提供するのみ。解消はどちらかが死ぬまで。国にとって、イキガミは軍事力であり、ドナーは補給物資。イキガミとドナーはあまり会うことはないようにしていたが、心理的な交流のない者に、自身の皮膚や臓器を提供しなければならないのは理不尽で人権がない。その中で、戦神鬼道とドナーの吉野は恋をし互いを支え、吉野は癒し手として鬼道を「人間」にしていく。癒やし手がイキガミを愛さないと、なかなか「全てを捧げる」ことはできないだろう。だけど、イキガミもドナーを愛せば傷つけたくないので、ドナーを守るため怪我をしないように戦えば隙ができ力を発揮できないときがある。ジレンマ。ある意味、究極のジレンマに立たされ苦しむ。なんて、ひどいんだと読みながら憤りを感じるほど、よくできたストーリーです。
生きるために、生かすために、守るために戦う。イキガミの感染症を治療する研究も進み、強制ではなく選択ができるようになったところで、この章は終わる。鬼道と吉野は恋人になり、鬼道は第一線から退く。でも、他のイキガミたちは…恐ろしい世界観。スーパーマンの苦悩と癒やし手の苦悩。愛あればこそ、だなぁ。鬼道は子どもの頃から戦神として育てられ、愛情を知らない。吉野によって治療としてのキスやセック スから愛情としての繋がりを知り幸せを感じることができてよかったのだけど。この後の章のCPも結構辛いことあるんだよなぁ😓SFBL侮れません。
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