このレビューはネタバレを含みます▼
中堅漫画家宇郷と新進気鋭の売れっ子漫画家余利のカプで上巻は偏屈で仕事面で嫉妬深い宇郷に振り回されつつ健気に受け入れる余利という感じで進んでいきます。下巻を読み進めると余利のエゴや嫉妬も生々しく描かれて怒涛の展開とともにタイトルの「うそつきあくま」が二人に向けられたダブルミーニングであることがわかり脱帽しました。また失踪の4年間という設定も物語当初の宇郷の年齢34に余利がなってみて当時の相手の気持ちもわかるようになるのも良くできています。
落ち着く所に落ち着いた二人ですが、私はビターエンドかなと思いました。pixivで見られる描き下ろしの千葉の話で、宇郷が自分が今落ち着いてる理由を「前ほど好きじゃなくなった」からだと言っているんですよね。主語はないのでこれは漫画のこととも余利のこととも取れてその距離感でやっと落ち着いた余利の思う幸せなカップルになれたというのがリアルだけど残酷に感じました。