わたしの幸せな結婚
顎木あくみ(富士見L文庫/KADOKAWA刊)/高坂りと/月岡月穂
名作!3/17実写映画・7月アニメ化予定
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼
大正時代風近代文化と異能のファンタジー要素が盛り込まれた和製シンデレラストーリーです。ヒロイン美世は2歳の頃に母を亡くし、父がかつて交際していた女性と再婚してから継母となった女性と父との間にできた妹、父からさえも愛されず虐げられたヒロイン。冷酷無慈悲と噂される名家の当主のヒーローの元に実家から追い出されるような形で嫁がされ、当主には当初実家からの刺客と誤解を受け警戒されてしまいます。ただ、ヒーロー清霞は自身の元にかつて現れたどの婚約者候補達ともかけ離れたヒロインの身なりや言動、性格に違和感を覚え、陰でヒロインの身辺調査していくうちにヒロインの生い立ち、育った環境を知り、ヒロインの心強い味方になってくれます!ヒロインが虐げられた続けた理由の一つに名家生まれの嫡子に継承される異能を引継いでいなかったことが理由に挙げられているのですが、悪夢のような日常と眠るときすらも悪夢にうなされることが後々能なしと思い込んでいたヒロインが異能を持つ名家の同士の權力争いの火種になっていくのですから、展開がなんとなーく予想できても続きが気になって仕方なくなります。
中性的な美しさをもつヒーローの清霞が冷酷そうに見えていつもヒロイン美世を気遣い不器用ながら心の距離を詰めようと行動するシーンの数々、家族愛を知らずに育った美世が清霞の元で家族愛や恋を少しずつ知り、清霞の隣に居ることを望む自身の感情に戸惑いながらも清霞のためにひたむきに努力する姿がじぃぃーんと沁みます。ヒロインの幸せ、ヒーローの理想の生活を叶えてほしいと願わずにはいられません。
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