このレビューはネタバレを含みます▼
202ページ。
直球どストレートな勢いあるキャラクターが魅力の作者さん。
今作では少し「描きたいこと」が前に出てしまっている感があり、著者が書いた脚本を個性派俳優が演じているドラマ、という印象でした。
BLジャンル内ではありますが、友人の男女カップルの恋模様も描かれており、そちらもなかなか良かったです。
そしてBLジャンルではありますがエロ……の本体はすっ飛ばして「前段階」を丁寧に描くという思い切った構成。これも良かったです。
良くなかったのは主人公の親の部分で、ここはどうも自分の感覚に合わなかったです。特に誠治の母。他人事なら応援できるって、けっこう恐ろしいなと思ってしまった。また、ラスト付近でちよりちゃんが「結婚はしなくても〜」みたいになっていたのがどうしても納得いかなかったです。これらの結末は、多様性をできるだけ取り入れて描こうとした結果だと思うのですが、少々とっ散らかってしまった気がします。
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「普通」というのは単純に「多数派」の意味しか無く、そこに「善悪」は存在しないととらえています。
この作品から感じたのは「相手を尊重する」という気持ちで、その気持ちが「普通」な世の中であるように、世の中を構成する一員として心掛けていきたいです。