このレビューはネタバレを含みます▼
佐田くんの遺言。穏やかに覚悟した佐田が語りだしたあたりから、涙で滲んで読みにくかった。
間宮の研究は前からのものだけど、佐田を見つけたときから、目的は変わった。佐田を生かし続けるため。最初で最後の恋。佐田にとっても熱烈に、自分のためだけに全てをかけてくれる人は初めてだったような。
1年くらいの蜜月。犯罪は犯している。倫理観など軽く超えてしまうほどに間宮の佐田への思いは強かった。
佐田が残した間宮に生きてもらうための言葉の数々。佐田がいなくなった後は、間宮に研究を続ける意欲、生きる力は無くなった。生と死に纏わる道徳、倫理、意義、法的措置、全てかなぐり捨てるほどの狂気の恋。
さすが、朝田先生。でも、犯罪推奨ではないと思います💦唯一の人を生かすために他者の命を利用していいのか?という、ある意味でトロッコ問題なのに、いとも簡単に選択してしまう様が狂気であり、今の戦争の問題にも繋がる社会的な示唆に感じた。