あした虹がでなくても
」のレビュー

あした虹がでなくても

きはら記子

スピンオフのスピンオフ

ネタバレ
2023年3月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「一途な犬は諦めない」のコミックスの中に「対岸の犬を呼んで」が入っていて、そこに出てくるゲイバーでのお話。店では女装し、月1でドラッククイーンとなるホイップちゃん。ママを師匠とし、この世界に入ってきた。姐さんたちがノンケを彼氏に持つことで泣いたり悔しい思いをしてきていることを見て、ノンケを好きになるのが悪いと豪語していたホイップちゃん。トークアプリを通して知り合った年上男性と話すことが心の避難所だった。のに、その男性凌が店に現れた!女装やゲイに対するデリカシーのない言葉を言ってしまい、ホイップちゃんを怒らせる凌。本人はそんなつもりはないけれど、ホイップちゃんを傷つけてしまい悩む。デートをするようになり、両片思いの感じだけど、「好き」を言うまで拗れる。ママの恋も破れ切ない。
「対岸の犬」のしょうごがいい仕事しました(笑)しょうごの言ったことは正論だなぁ。セクシャリティではなく、個人を見る視点が大事というニュアンス。世の中の偏見に、自分は違うと思いながら、知らず知らずに当事者になっていることに気づく凌は、本当にホイップちゃんが好きなんだよな。
LGBTQ+と社会の問題を内包するストーリーで、ヘテロノーマティビティではないあり方を模索した作品ではないかと思う。大柄で迫力ある女装でタチとなるホイップちゃんを見ると、「月と太陽」の椿を思い出すw
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