イキガミとドナー 二人のイキガミ
」のレビュー

イキガミとドナー 二人のイキガミ

山中ヒコ

せつない

ネタバレ
2023年3月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 続編が出ているの知らなくて、驚いて買いました。
全編をとおして3人それぞれの気持ちが伝わってきてほんとうにせつない。
とくに前半の過去編は泣けました。春人の優しさがまぶしい……。
上巻の終盤から、前作(のおまけ?)の流れに帰り、滝が頑張るのですが……ふりまわされつつ、とってもとっても頑張るのですが、個人的に春人との過去がインパクトというか悲しすぎて、ああ春人が生きていたら……という感想も捨てきれませんでした。
でも柴田が滝に、助けて、と懇願する場面。あれは刺さりました。滝じゃないと務まらないポジションですよね。春人とも共通する優しさ、プラス強さと包容力。
柴田にはイキガミに対してたくさんの引け目や後悔があるのだけれど、それへ対する想いというものが、「復讐」のなかに多分に含まれている。それを、滝はもちろん、前作組の鬼道吉野も世間もちゃんとわかってくれていた。
柴田には、春人のこともずっと忘れず、滝のそばで今度こそしあわせになってほしいです。

……ちなみに、物語の重要な仕組みや、柴田が何をして今作でこうなっているのかという部分は前作にあります。鬼道ペアの言葉の重みも増しますので、シリーズ初見の方は先にあちらを読まれることをおすすめします。
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