このレビューはネタバレを含みます▼
本作は何回でも読み返す大好きな作品。
今回、これまた最高のスピンオフ上下巻が出たので、
レビューしなくてはと思い今に至ります。
本作の世界観、どうやって考えつくのか……たまんないッ!
設定であるイキガミとドナーという存在、それがこれでもかと切なくさせにくる。
各国の最大の戦闘兵器と化した無敵のイキガミという孤独な存在。あまりにも重責過ぎるその身に課されたものが想像を遥か越える。それだけでも充分に重いのに、その自分の血となり肉となってくれるドナーの存在。これがまたイキガミを苦しめる。
身近になればなるほど、お互いを大切に想えば想うほど…。
命賭けでお互いを守り合う鬼道と吉野の姿にどうしても目頭が熱くなってしまうのは仕方無い。
生き方を問われるし、今自分がしていることが誰のどんなことに繋がっているのかを常に考えさせられるしんどさ。
彼らのチャランポランに生きられないしんどさが、読んでいて凄くしんどいし、凄く胸に響いて、その余韻が凄すぎる……!
きちんとBLBLしてあって素晴らしいんですけれど、何より設定やストーリー性がしっかりある。自分や愛する人の命や愛の存在、それを確かに感じる稀有な作品です。
そして終始キャラ2人だけで完結していないところが、凄い。
ネタバレになるのでフワッとしか言えないんですが、イキガミとドナーの生き方や人生、それは他人事ではいということ。そして、それでも色々な可能性や選択肢がある。そんなところでしょうか。まとめ下手かww
とにかく、この世界観の説得力が半端ないです。
フィクションだけど、何か……。
実際戦争は今この瞬間にもされているし、政府に操作や管理されてることは小さなことから大きなことまでどこの国でもあるだろうし(怒)……何だか、他人事なんだけど、他人事じゃないんです。それをヒシヒシと感じさせる作品です。
BLとしては、攻の人間的な成長といいますか王道ですが、変化していく様が最高です♡
鬼道の冒頭の傍若無人ブリからの吉野への溺愛、失いたくないから故の臆病ぶり。きゃ一一一たまんねッ!
この作品で、ううう……と射抜かれた方は迷わず、スピンオフ
二人のイキガミへどうぞ!
本作で鬼道と吉野を支えていた、柴田のスピンオフ。
鬼道と吉野も本編と番外編で出てきます。二人のイキガミに愛される柴田がこれまた、切なさ半端ないです。たまんないわ。