凍えるキミが溶けるまで
」のレビュー

凍えるキミが溶けるまで

桜城やや

納得いかない

ネタバレ
2023年3月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 自宅が火事に遭い、一人高校の寮に入ることになった本間。同室となった鹿島は初対面から無愛想で舌打ちまでする始末。前途多難に思われた寮での生活は捨て猫を二人で世話するようになって少しずつ変化していく。


本間は火事で身の回りの物を失ったのに、前向きに進んでいこうとする明るさが見え、重い何かを抱えていそうな鹿島を救い上げてくれそうな真っ直ぐさと芯の強そうなところが好印象。

鹿島は冷たく無愛想に振る舞うことで人を寄せ付けないようにしている感じが窺え、物語が進むにつれてその理由が見えてくる。


まだ高校生の鹿島が叔父に対抗するのが難しいことは分かるけれど、信川さんたちが協力してくれて叔父の悪行が明らかになったのに、お咎め無しは納得できない。

親戚間だと横領とか詐欺にはならないのかな? もし、ならないとしてもあのムカつく従兄弟が何も知らずに鹿島を馬鹿にし続けると思ったら、父親の悪事をバラしてしまえ! と本気で思う。

叔父の処遇に納得できず、本間と鹿島の青くたどたどしい恋愛を気持ちよく見守れなかったのが心残り。
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